朝鮮戦争の渦中に巻き込まれていくある美しい兄弟愛
1950年の初夏、ソウルで、靴職人を目指す靴磨きのジンテと、学生のジンソク兄弟が暮らしていた。家族は酷く貧しかったが幸せだった。だが6月25日、ソウルに攻め込んだ北朝鮮人民軍によって幸せは砕け散った。家族は列車に乗って南へ逃れようとする。しかし途中でジンソクが韓国軍に捕まり、強制的に入隊させられていた。ジンテは弟を除隊させるためには自分が英雄になるしかないと考え、いくつもの危険な戦場へ繰り出す。自ら危険を好むようにしか見えない兄の姿を、ジンソクは理解できない。しかし、これは悲劇の始まりに過ぎなかった。
1950年12月、中国人民志願軍(抗美援朝志願軍)の参戦により、ソウルに戦火が迫る中、ジンテ・ジンソク兄弟は家族を救出するためにソウルに戻る。しかしジンテの婚約者は反共自警団により射殺、ジンソクも牢獄に囚われる身となる。奇跡的に牢獄を脱出したジンソクは野戦病院で、ジンテが北朝鮮人民軍の旗部隊の隊長として活躍している事実を知る。ジンテの目を覚まさせるため、最前線トゥミルリョン高地に向かうジンソク。激戦地トゥミルリョン高地で、ジンソクはジンテと逢う、ジンテは婚約者と弟を韓国に殺されたと思い込み韓国軍を倒そうと躍起となる。必死にジンテの目を覚まさせようとするジンソク、激戦の中で遂に目を覚ましたジンテはジンソクを後方へ逃し、自らを犠牲にする。ジンテの手にはジンソクの万年筆を握りながら。